
DTMを快適に行うにはPCの性能、CPUの処理速度が重要です。
また、音源データは非常に膨大なため、容量の大きいHDDやSSDが必要となります。
これらの要件をできるだけ低コストで実現しようと考えたとき、デスクトップPCやBTOパソコンにたどり着くのは自然な流れといえます。
しかし近年はCPUの小型化が進み、ノートPCの性能も大きく向上しました。
そのような背景から、ウルトラブックやMacBook AirをDTM用に使う人をよくみかけます。
ノートPCをDTM用途に使う場合、問題となるのが音源データの格納場所です。
デスクトップ型のパソコンなら簡単に容量を増やせるのに対して、モバイル型のパソコンは拡張性がないため、内臓ドライブの容量はあっという間に無くなってしまいます。
私もせっかく手に入れたドラム音源を自由に使うことができず、歯がゆい思いでした。
その問題の解決策として、記憶媒体を外付けする方法があります。
ここでは、容量の限られたノートPC用に、『USB3.0で接続する外付けSSD』を使用した音源ライブラリを構築する方法を紹介します。
記事内目次
USB3.0の普及で実現した新しい選択肢
これまで、音源データをUSB2.0接続のHDDに保存するのはタブー視されていました。
その理由として、転送速度が挙げられます。
とにかく遅いため、DTMには不向きでした。
一方、USB3.0はUSB2.0に対して10.42倍のスピードがあり、赤いモビルスーツに乗っていた人もびっくりです。
HDDではダメなのか?SSDを使う理由
同じ価格でディスク容量を比較したとき、HDDはSSDよりも大容量です。
じゃあUSB3.0接続のHDDがいいのか!
残念ながらそういうわけにはいきません。
こちらの画像をご覧ください。
内臓ドライブ用のHDDとSSDをUSB3.0接続し、読み書き速度を比較した図です。
単純に数値が大きいほうが読み書き速度が速いと解釈してください。
HDDはSATA1.5用に対し、SSDはSATA3.0対応のものを使っているので単純な比較はできませんが、歴然とした差です。
このHDDでは音源ライブラリとしての使用に耐えられません。
一方、SSDは十分な速度がでているため、問題なく使えます。
実際に音源を入れてDAWを使用したところ、読み込みはスムーズにでき、処理落ちすることなく鳴らすことができました。
USB3.0接続の外付けSSDを音源ライブラリにする
次の点を確認してください。
- ノートPC本体にUSB3.0端子があるかどうか(Thunderboltでも可)
確認方法は簡単。
パソコン本体にこの画像の青いUSB端子があればOKです。
こちらでもOK。microUSB3.0という小型規格の端子です。
次に、USB3.0に対応した外付けSSDを手に入れます。
おすすめはこちらです。
メモリモジュールで有名な台湾の企業、TranscendのSSDです。
USB3.0だけでなくThunderboltにも対応しています。
このSSDにYosemiteというMacOSをインストールし、起動ディスクとして使っているAmazonレビュアーがいるのですが、問題なく使えているようです。
こちらもおすすめです。
ドイツ製、Freecomの小型SSDです。
小型で軽いため、気軽に持ち運べる音源ライブラリとして便利に使えそうです。
Thunderboltには未対応ですが、miniSATAとUSB3.0接続ができます。
これらの機種以外にもいくつかあるので、納得いくものを探してください。
最後にSSDを接続し、音源データを移してDAWソフトで認識すればOKです。
USB3.0のメモリースティックという選択肢もあり?
外付けSSDは高価なのでそう簡単には導入する気になりません。
ではUSB3.0のメモリー棒はどうでしょう。
容量は心もとないですが、コストを安く抑えられます。
とは言っても、大事な音源データを格納するわけですから、すぐに壊れそうな怪しいメーカーのものは避けたいですよね。
アマゾンの評価をざっとみたところ、このUSBメモリは使えそうです。
アマゾンのレビューにベンチーマークのデータを載せている方がいて、それを拝借すると次のようになっています。
Sequential Read : 118.456 MB/s
Sequential Write : 30.178 MB/s
Random Read 512KB : 106.304 MB/s
Random Write 512KB : 18.028 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 5.054 MB/s [ 1234.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.591 MB/s [ 144.4 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 5.873 MB/s [ 1433.8 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.488 MB/s [ 119.1 IOPS]
このレベルであれば、SATA3.0接続の内臓HDDと同等です。
速度的には問題なく使えますよ!
(実際に試してUSBメモリがすぐに壊れてダメになったとしても、Hodaは責任をとれません。ご了承ください。)
SDカードはどうだろう?
数あるノートパソコンのなかには、SDやmicroSDカードで容量を拡張できるものがあります。
Macbook Airなどがそうですね。
音源を格納する媒体として候補にあげてもいいのではないでしょうか。
(実際やってみて上手くいかなくても、Hodaは責任をとれません。ご了承ください。)
音源を入れる代わりに、PC本体のデータをSDへ移して容量を確保するという使い方も◎です。
まとめ
高性能だけれど容量の小さいモバイルPCでDTMをするあなたのために、USB3.0対応の外付けSSDの導入をお勧めしました。
これで本体の空き容量がなくなっても、音源データをインストールできる余裕が生まれます。
是非ためしてください。