
ドラム譜は他の楽器と比べて少し特殊です。
『ヘ音記号』で表記されてるのに音程とは無関係だったり。
私は中学の頃、無理やり『ヘ音記号』の音程にチューニングして失敗したことがあります。
2度とそんな悲しい経験をしないためにも、正しいドラム譜の読み方をまとめます。
この記事ではドラムの各楽器の音色、基本的な音符の配置や記譜例を、動画を交えながら解説しています。
記事内目次
ドラム、ドラムセットって?
ドラムはいくつかのシンバルと太鼓の集まりです。
リズム感を与えてくれるスパイスのような楽器で、曲全体がビシッと締まります。
下図は基本的な構成のドラムセットです。
各パーツ(楽器)の音色を動画で確認しましょう。
基本的に叩けば音が鳴る単純な楽器ですが、スネアドラムとハイハットシンバルは若干複雑な構造をしていて、多彩な音色を引き出せるようになっています。
楽器の構造を知ることは音色の理解にも繋がります。
せっかくなので、この二つの楽器について簡単に説明しましょう。
スネアドラムについて
スネアドラムはシェルと呼ばれる筒とヘッド(打面)、ヘッドを固定するフープで構成されています。
シェルの長さと各部品の素材(木材や金属)で多種多様の音色になります。
また、タムやバスドラムと比べて『しゃりしゃり』した音色をもっています。
これは響き線、スナッピーと呼ばれる部品と太鼓の裏面の皮(裏ヘッド)がこすれて発生する音です。
ハイハットシンバルについて
ハイハットは、簡単なリンク機構が組み込まれたフットペダルに、シンバルを2枚セットした楽器です。
左足を踏み込むことで2枚のシンバルが閉じ、
足を持ち上げるとシンバルが開きます。
このことこから、閉じた状態で叩いたときの音を『クローズド・ハイハット』、開いた状態で叩いたときの音を『オープンド・ハイハット』と呼びます。
楽譜上ではそれぞれ『Closed H.H.』、『Opened H.H.』などと記譜されます。
また、足を下ろしてハイハットが閉じた時にも音が鳴りますが、これを利用した奏法・音色を『ペダルハイハット』と呼びます。
実際の音色はこちらの動画が参考になるので、ご覧ください。
各パーツは楽譜でどう表すの?
ドラムセットの各楽器は楽譜上でだいたい次のように表記されます。
完全に統一されていないので、楽譜の作成者によって異なることが多いです。
特にシンバル類の表記の仕方はバラバラです。
なので、演奏してみて「なんかおかしい?」と感じたら、楽譜の注釈や音源を聴いて確認します。
逆に多少違っていても、曲の雰囲気が壊れなければ何をしてもいいという感じの自由さがあります。
また、各楽器の名称は次のように英語で表記されるのが普通です。
- スネアドラム … S.D.
- バスドラム … B.D.
- ハイタム … Hi Tom
- ロータム … Low Tom
- フロアタム … Floor Tom
- ハイハット … H.H.
- シンバル … Cym.
- ライドシンバル … Ride
注意! ヘ音記号の罠
ドラム譜には音部記号に『ヘ音記号』がよく使われます。
ですがドラムに音階はありません。
上の図ではスネアが『ミ』、ハイタムが『ソ』、ロータムが『ファ』、フロアが『ド』の高さに配置されていますが、実際にその音程でチューニングする必要はないです。
実際のドラムの楽譜ってどんな感じ?
よく使われる典型的なリズム、8ビートと16ビートの例を動画にまとめました。
それぞれの違いを体感してみましょう。
8分音符や16分音符がよく分からない場合はこちらの記事を参照ください。
8ビートの記譜例
1小節に8分音符のハイハットが8つ並んでリズムを刻んでいます。
少し複雑にした8ビートが下の例です。
2拍目と4泊目の音符の上にある三角印は、『アクセント』(またはスフォルツァンド)と呼ばれる装飾です。
強調して演奏してくださいという意味です。
16ビートの記譜例
16ビートは、ハイハットの16分音符を主体としたリズムです。
少し変わった16ビートの例です。
スネアのアクセントの位置が独特で、印象に残る素敵なフレーズに聴こえます。
まとめ
基本的なドラムの楽譜の読み方についてまとめました。
実際に音を聞きながら、あるいは演奏しながら楽譜を読むと、理解が早いです。
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