
音楽をはじめようと考えたとき、最初にぶつかる壁の一つが楽譜の読み方でしょう。
この記事では、音楽活動に役立つ楽譜の基本的な読み方を紹介します。
ピアノや管楽器、打楽器、バンド・スコアなど、全ての楽譜を読むときに応用できるよう、共通の項目に絞って解説しています。
あなたの今後の音楽活動における小楽典として、参考にしてください。
記事内目次
五線譜
五線譜とは、楽譜を描くためのキャンパスです。
相対的な音の高さを示すことができます。
この五線譜の上方に音符が配置されるほど、高い音程。
下方に配置されるほど低い音程となります。
音部記号
五線譜だけでは全ての音程をカバーすることはできません。
そこで、高低さまざまな音程を記譜できるように、音部記号が使われます。
高音を示すト音記号、中音を示すハ音記号、低音を示すヘ音記号があります。
![]() | ト音記号 G Clef (英) | 高音域 | ボーカル、ギター、ピアノ、トランペット、 フルート、クラリネット、サックスなど |
![]() | ヘ音記号 F Clef (英) | 低音域 | ピアノ、ベース、トロンボーン、 ユーフォニアム、チューバ、 打楽器(ただし音階は無い)など |
![]() | ハ音記号 (アルト記号) C Clef (英) | 中音域 | ヴィオラ、チェロ、 トロンボーン、ファゴットなど |
![]() | パーカッション記号 Percussion Clef (英) | - | ドラム、打楽器 |
音名
音程、音の高さをあらわす呼称を音名といいます。
国によって様々な呼び方がありますが、イタリア語と英語、ドイツ語の呼称はよく使われます。
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
ドイツ語 | C(ツェー) | D(デー) | E(エー) | F(エフ) | G(ゲー) | A(アー) | H(ハー) |
日本語 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
音階
ここまでで、音部記号で低音から高音を表すことができること、そして音と呼び名が分かりました。
続いて、ドレミファソラシドがどこに配置されるのかを解説します。
ト音記号とヘ音記号の音階
ト音記号とヘ音記号の音は、五線譜上で次のように配置されます。
中央のド、Middle Cは同じ音程です。
ハ音記号の音階
ハ音記号の音は五線譜上でつぎのように配置されます。
音部記号の名前の由来
ト音記号は書き始めがト音、つまりG音から描かれます。
同様にヘ音記号はF音(ヘ音)、ハ音記号はC音(ハ音)から描かれるため、このような名称がつきました。
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音符が配置されるルール
五線譜上に配置される音符は、次の2種類あります。
- 線と線の間に位置するもの
- 線の上に位置するもの
音程がドレミファソラシと配置される場合、1と2が交互に、順番に配置されます。
加線
五線譜内に配置できない音符を見やすくするために、短い線を補って記譜します。
これを加線といいます。
変化記号
ドレミファソラシドが五線譜上にどう配置されるのかをみてきました。
この項では、ドレミファソラシだけでは表せない音を表記する『変化記号』についてみていきます。
臨時記号として用いる変化記号
半音(または全音)変化させて演奏してほしいとき、音符の左横に『臨時記号』を添えます。
この臨時記号は一小節の間だけ有効で、小節をまたいだらリセットされます。
一小節の間に、もとの音程に戻したい場合はナチュラル記号を横に添えます。
![]() | シャープ | 幹音を半音高くする |
![]() | フラット | 幹音を半音低くする |
![]() | ナチュラル | 全ての変化記号を無効にして幹音にもどす |
![]() | ダブル・シャープ | 半音高められている音をさらに半音高くする |
![]() | ダブル・フラット | 半音低められている音をさらに半音低くする |
全音と半音
半音下げる(上げる)というのがよく分からないかもしれません。
ピアノの鍵盤をつかって説明してみましょう。
ピアノはこの図のように白鍵と黒鍵が並んでいます。
音程にいくらか余地がある場合を全音、全音の半分しかないものを半音と呼んでいます。
例えば、ドとレの間は全音となります。
一方、ミとファ、シとドの間は半音です。
レを半音下げる『レ♭』は、『ド♯』と同じ音程となり、このような状態を異名同音と言います。
調号として用いる変化記号
音部記号のとなりに、♭または♯が記譜されます。
ここではダブル・シャープとダブル・フラット、ナチュラルは使われません。
臨時記号が使われる場合を除き、曲を通して半音上げ(下げ)ることを示します。
こちらの画像はB♭メジャー(変ロ長調)とよばれる調です。
この調では、ミとシの音を半音下げて演奏しなければなりません。
調と調号
ハ長調とか、ロ短調など、聴いたことはありますか?
これは一定のルールに基づいて名づけられているのですが、ここでは調名の種類だけ、ご紹介します。
嬰は『えい』と読みます。
調号 | 長調 メジャーキー | 短調 マイナーキー |
![]() | ハ長調 C | イ短調 Am |
![]() | ト長調 G | ホ短調 Em |
![]() | ニ長調 D | ロ短調 Bm |
![]() | イ長調 A | 嬰へ短調 F♯m |
![]() | ホ長調 E | 嬰ハ短調 C♯m |
![]() | ロ長調 B | 嬰ト短調 G♯m |
![]() | 嬰ヘ長調 F♯ | 嬰ニ短調 D♯m |
![]() | 嬰ハ長調 C♯ | 嬰イ短調 A♯m |
![]() | へ長調 F | ニ短調 Dm |
![]() | 変ロ長調 B♭ | ト短調 Gm |
![]() | 変ホ長調 E♭ | ハ短調 Cm |
![]() | 変イ長調 A♭ | ヘ短調 Fm |
![]() | 変ニ長調 D♭ | 変ロ短調 B♭m |
![]() | 変ト長調 G♭ | 変ホ短調 E♭m |
![]() | 変ハ長調 C♭ | 変イ短調 A♭m |
まとめ
ト音記号などの音部記号、調号についてまとめました。
ここで紹介した情報は吹奏楽やバンド活動にきっと役立つことでしょう。
分からないことがあればそのつど読み返し、参考にしていただければ幸いです。
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