
音楽理論を勉強するとき、音程の本来の意味を知っておくとより理解が深まります。
私は作曲とアレンジをしてみたいと思い、コード理論や和音の転回などを調べたのですが……。
度数の数え方を知らなかったために、分からない項目がいくつもありました。
この記事では音程の定義から、単位である度数の数え方と種類、転回音程などについて紹介します。
今後、コードワークなどの音楽理論を勉強するときにきっと役立ちますよ。
記事内目次
音程ってなに?
二つの音の隔たり、間隔のことを『音程』といいます。
度数と呼ばれる単位で表します。
英語ではInterval。
『音程』=『音の高さ』という意味ではないので、これからは注意して使っていきましょう。
全音と半音
すべては全音と半音を覚えることから始まります。
ミとファ、シとドの音程は半音、それ以外は全音です。
音程を理解するうえで重要なので、しっかり覚えましょう。
度数の数え方
次に、音程の単位である度数の数え方をマスターしましょう。
例えば下の画像。
このファとドの音程は4度です。
なぜならファからドにわたって、幹音が4つ含まれているからです。
幹音とは!
♯シャープや♭フラットなどの変化記号がついていない音符のことを幹音といいます。
♯や♭が付与された音符は派生音と呼ばれます。
では、次の2音の音程は何度でしょう?
この場合は幹音が五つ含まれるので5度です。
同じ音の場合
幹音が同じ音の場合は1度と数えます。
派生音がある場合
♯などの臨時記号で装飾された派生音がある場合も、度数の数え方は変わりません。
音程の種類『完全・長・短etc…』
派生音がある場合でも度数の数え方は変わらないので、『同じ度数だけど響き方が違う』という音程ができます。
そこで、それぞれの音程の種類を区別し、分かりやすくするために『完全』『長』などの枕詞(まくらことば)のようなものを使います。
例:完全5度(パーフェクト・ファイブ)
完全系
1度、4度、5度、8度の音程は完全系に分類されます。
聴いていて心地よく、調和した響きです。
完全4度と完全5度は半音を一つ、完全8度は半音を2つ含んでいます。
長短系
2度、3度、6度、7度は長短系に分類されます。
2度
全音の音程が長2度。
半音の音程が短2度です。
3度
半音が含まれないものが長3度。
半音が一つ含まれているのが短3度です。
6度
半音を一つ含んでいるものが長6度。
半音を二つ含んでいるのが短6度です。
7度
6度と同様、半音を一つ含んでいるものが長7度。
半音を二つ含んでいるのが短7度です。
増減・重増減
前述の完全系・長短系の音程を基準に、半音多い音程を『増』。
半音少ない音程を『減』に分類します。
さらに半音多い場合は『重増』、少ないときは『重減』です。
また、1度は増のみで、減1度は存在しません。
*)……シとド、ミとファの音程が半音のため、完全系より半音少なくなります。よってシ~ファの音程は減5度です。
異名同音は調によって区別しますが、平均律においては同じ音程となります。
音程の種類まとめ
音程は完全系と長短系があり、半音広がるごとに増→重増、半音狭まるごとに減→重減となります。
単音程・複音程
完全8度までの音程を単音程。
完全8度を超える音程を複音程とよびます。
複音程である10度は、1オクターブと3度の単音程から構成されます。
音程の転回
完全8度以内の音程で、上の音を1オクターブ低くしたり、逆に下の音を1オクターブ高くすると音程が変化します。
この操作を『音程の転回』とよびます。
音としての性質はそのままに、響き方が変わるので、作曲やアレンジで積極的に使われるテクニックです。
上の図は完全5度であるド-ソを転回した例です。
このことから、完全5度と完全4度は表裏一体の関係にあり、相互に変換できることが分かります。
長短系でも同様、転回することで各音程は次のように変換できます。
<度数の変換>
- 7度⇔2度
- 6度⇔3度
- 5度⇔4度
- 1度⇔8度
さらに、長短系は長短の種類を入れ替えることができます。
<種類の変換>
- 完全⇔完全
- 長⇔短
- 増⇔減
- 重増⇔重減
協和音程と不協和音程
最後に、協和音と不協和音について紹介します。
音程はその響き方から、心地よく聞こえる協和音程と、なんとなく不安な気分になる不協和音程の2種類に分けられます。
また、音の振動数の比で比較すると協和音程は綺麗な整数比となっています。
まとめ
音程の単位である度数の数え方、種類、音程の転回、そして協和音程・不協和音程について紹介しました。
ここで紹介した理論は、作曲やアレンジ、コード進行で必ず役に立ちます。
分からないことがあれば都度読み返し、参考にしてください。
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